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『うちの子に手を出さないで』

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学生のころ、こんな本を読んでいました。
『うちの子に手を出さないで』 角野晴子著 学陽書房

管理教育の真っただ中で育った私の世代が親になり、読んだ本は、
ほんとうに、そのときの自分にとって、バイブルに近いものになり、
「学校」というものに対して、あるいは「教師」と名乗る人々に対して、
表題と同じような思いを強く持つようになりました。

それでも、学校という場でしか得られないもの(友達、社会)がある、
だから仕方なく学校に行かせる、という思いがありました。
最低限のことは、家庭で教える、学校(社会)で植えつけられた俗なものを、
子どもと相対するなかでそぎ落としていく、それは繰り返し読んでいる、
林竹二さんの『教えることと学ぶこと』にも書いてあることでした。

その私が、今、自由の森学園に対して、何かを求めていることに気づいて、
強いショックを受けています。ショックというか、そんな自分に愕然として。

子どもは、自分で育つ、それを見守るのが親、待つのが親だという思いと、
うちの子に余計なことをしないで、というこの本のような『手を出さないで』
という思いが、私の中で少しずつ薄れていっていることに気がつきました。

自由の森学園なら、うちの子に何かをしてくれるという期待感が、
いつの間にか頭のなかに広がり始めていたということに気づきはじめました。

いいところ探しをしていてもだめ。
子どもは社会で生きていく。
社会は常に動いていて、そのなかで子どもは生きていく。
親は子どもといっしょに、同じように生きていくことはできない。

親である自分が自立しなければ、子どもが自立できるはずなどない。
そんなことを、改めて感じています。
そのきっかけになったのは、やっぱり高2から高3になろうとしている息子の進路。
彼のじれったいくらいの歩みの遅さを、奥歯かみしめて見守っている今、
ふと思い出したのが、本棚の奥に眠っていた角野晴子さんの本でした。

自由の森は、息子に手を出さないでいてくれる。
待っていてくれる。
黙って見守っていてくれる。
言葉をかけずに、見つめていてくれる。

すべての教員の方がそうですか?
と聞かれれば、わたしにはわからないけれど、
少なくとも、息子と娘に関わって下さっている教員の皆さんの多くは、
それを当り前のようにしてくださっています。

私の自立が先。
これが、今のところのわたしの結論です。

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